聞き取りの習慣

聞き取りの習慣 — 聞き取る力を保つには

年を重ねると、筋力やバランスを鍛える人は多いものです。でも、聞き取りに同じだけ目を向ける人はあまりいません。にぎやかな部屋で会話についていくのも、一つの力です。そして力は、意識して使うほど保たれます。聞き取りの習慣とは、その力にほとんどの日、数分の集中した練習を向けることです。

「聞こえる」と「聞き取る」は別もの

耳は音を拾います。聞き取りは、その次に起きることです。部屋の中から一つの声を選び出し、半分しか聞こえなかった言葉を補い、早口の相手についていく。そこは一つの力で、練習できます。

聴力検査の結果は問題ないのに、レストランではやはり疲れる。その理由がこれです。検査は、静かな検査室でどれだけ音に気づけるかを測ります。うしろで食器が鳴る中で会話を追えるかどうかは、測っていません。

聞こえそのものが心配なときは、まず耳鼻咽喉科や補聴器の専門家で聞こえを調べてもらいましょう。それでも結果は問題なく、雑音の多い場所がやはりつらいなら、聞き取りの力が、あなたが練習できる部分です。

なぜ雑音の多い場所ほどつらくなるのか

多くの人は、50代や60代のどこかで、雑音の中の話し声を追うのに前より力がいるようになります。静かな場所での会話はまだ楽なのに、です。まわりのざわめきが、聞きたい声とぶつかります。早口の相手だと、聞き取れなかった部分を補う時間も足りません。食事の終わりには、ついていくだけで疲れきってしまうこともあります。

これは、あなたのどこかが悪いという意味ではありません。年を重ねた大人が聞こえについて気づくことの中で、いちばんよくあることの一つです。そしてこれは、練習で変えられる部分でもあります。

聞き取りの練習は、どんなふうに進むのか

ほかの練習とよく似ています。楽にできるところから始めて、少しずつ難しさを足していきます。

始まりは、似た音の言葉を聞き分けることかもしれません。一つずつ答えを確かめながら進みます。次は文。それから、同じ文に背景の雑音を重ねます。最初は小さく、慣れて安定してきたら少しずつ大きく。その間に、いろいろな声を聞きます。早い声もゆっくりな声も、高い声も低い声も、話し方のくせもさまざまです。本物の会話が、一つの声だけということはないからです。

ほとんどの日に、数分ずつ

集中して聞くのは、けっこう力を使います。だから長い練習より、短い練習のほうが向いています。日曜に1時間まとめてやるより、ほとんどの日に5分から10分のほうが効きます。

進み具合は、グラフの上より、ふだんの暮らしの中に表れます。友だちとの食事が前より楽になる。テレビの音量が一段下がる。電話が思ったよりうまくいく。そういうことが、練習が効いているしるしです。

補聴器がなくても始められます

聞き取りの練習は、会話をもっと楽に追いたいすべての人のためのものです。補聴器や人工内耳を使っているなら、練習はその機器とともに働きます。機器が音を届け、あなたはその音の使い方を練習します。何もつけていなくても、練習はできます。杖がなくてもバランスを鍛えられるのと同じです。

よくある質問

聞き取りの習慣とは何ですか?

聞き取りの習慣とは、話し声を追う力を、こまめに集中して練習することです。とくに雑音の中での聞き取りを鍛えます。聞き取りを、筋力やバランスと同じ力としてとらえる考え方です。ほとんどの日に数分ずつ取り組むほど、力は保たれます。

聴力検査は問題なかったのに、なぜにぎやかなレストランではつらいのですか?

聴力検査は、静かな部屋でどれだけ音に気づけるかを測ります。雑音の中で一つの声を追うのは、それとは別の力です。検査の結果がよくても、年とともにこの力がつらく感じるのはよくあることで、練習で変えられます。聞こえそのものが心配なときは、まず耳鼻咽喉科や補聴器の専門家に相談するのがよいでしょう。

聞き取りは、筋肉のように鍛えられますか?

大事な意味では、はい。聞き取りは、多くの力と同じ流れで伸びます。少し難しいことに挑んで、合っていたかをすぐに確かめて、くり返す。練習アプリは、その流れを話し声と雑音で回してくれます。

聞き取りの練習に、補聴器は必要ですか?

いいえ。聞き取りの練習は、補聴器でも人工内耳でも、何もつけていなくてもできます。機器を使っている場合、練習は、その機器が届ける音を脳がどう扱うかを鍛えます。

聞き取りの練習は、1日に何分すればいいですか?

ほとんどの日に5分から10分が、ちょうどよい目安です。集中して聞くのは疲れるので、短い練習をこまめに続けるほうが、たまに長くやるより着実に力がつきます。

聞き取りの習慣は、脳トレと同じものですか?

いいえ。脳トレは、ゲームを通じて注意力や記憶、速さを鍛えるものが中心で、音の練習も、音の高さや、短い音のかたまりを使うことが多いです。聞き取りの習慣は、話し声そのものを練習します。言葉、文、そして雑音の中での会話です。

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